医師紹介
ご挨拶

はじめまして。日本橋あさひメンタルクリニック院長の榎本 啓希と申します。
当院では下記の2点に力を入れ診療を行っております。
不調を感じ始めた段階で、相談しやすいこと
私はこれまで大学病院や東京都心のクリニックなどで、入院を必要とする方から比較的軽症の方まで、さまざまなお悩みを抱える方々の診療に携わってまいりました。
その中で感じたのは、こころの不調も身体の不調と同様に、早期発見・早期治療が重要であるということです。不調を感じ始めた段階でのご相談により早くに回復する方もいれば、受診を迷っている間や治療が思うように進まない間に、段々と状態が悪くなり休職・休学、さらには入院が必要になってしまう方もいらっしゃいました。
そのため「不調を感じ始めたタイミングで受診しやすいクリニック」があれば、来院される方々の不調に苦しむ期間や程度を少しでも軽くできるのではと思い、当院を開院することといたしました。早い段階で今の状態を確認し、必要な対応を考えることを大切にしています。
治療がうまくいっていない方の、診断・治療の見直し
精神科医としての研修の時期には、うつ病や躁うつ病、適応障害などで治療が難航している方を専門的に診る施設や、治療がうまくいかなかった方の診断と治療を見直すことを重視する施設で勤務しました。いずれの経験からも、「良くならないから仕方がない」と考える前に、見立てや方針を改めて考え直し、計画を練り直すことで、状態が変わっていく方々を診る機会に恵まれました。
初めての受診がしやすいクリニックは増えてきた一方で、通院しても思うように良くならなかったとき、次に相談できる場所は限られていると感じています。「薬は段々と増えるのに改善しない」、「何か月、何年も同じような治療を続けているが、元の状態には戻らない」といったお悩みを持つ方々は決して少なくありません。
「良くならないから仕方がない」と考える前に、これまでの経過や診断、治療方針を改めて検討し、新たな選択肢をご提案できる場を作りたい。その思いも、開院の大きな動機です。
詳しくは治療・お薬の相談(セカンドオピニオン)をご覧ください。
「初めての受診で何を話せばよいか分からない」という方も、「今の治療を一度、別の視点から見直してみたい」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。日本橋あさひメンタルクリニックにてお待ちしております。
診療で大切にしていること
当院では、以下のことを大切に診療しております。
- 話したくない内容まで話すよう無理強いはしません。ご安心してご来院ください。
- ご来院される方の中には何も話せなくなる方もいますが、何度かお会いしていくうちに、話せるようになることも多いです。話せる自信がない方も遠慮なくご来院ください。気長にやりましょう。
- 治療方針は医師の判断のみではなく、いくつかの選択肢とその良い点、悪い点をご共有し、その中からご本人に選んでいただくという形をとっております。決められない、という方もいらっしゃいますので、その際はお勧めの選択をお伝えいたします。
- お薬を飲んだほうがよくなる確率が高いと判断した場合には、お薬の内服をご提案致します。ただし、ご本人が希望されない場合には強制はしません。別の方法を考えましょう。
- その他、ご希望やご不満がある際には、お伝えいただければ助かります。出来ること、出来ないことは一定ありますが、対応に努めようと思います。

医師の思い
「治る」という事と「治す」という事の違い
精神科領域では「患者さんが治る」という考え方があります。どんなにいい治療法があったとしても、ご本人の考えや行動を他人が操作することはできないので、ご本人の決断があって始めて病状が改善していくということです。他人主体ではなく、本人主体という言い換えもできそうです。
他の診療科と異なり、検査結果が出れば、診断、治療が画一的に決まるわけではありません。うつ病であれば几帳面な、秩序を重んじる人がなりやすいと言われているように、精神疾患においては個々人の特性が大きく関わります。患者さんの特性に基づいた自己選択の結果、病状が良くなる悪くなる、ということが連続しますので、「患者さんが治る」という言葉は真実だと思います。
しかし、私自身は「患者さんが治る」ではなく、「患者さんを治す」という意識で診療に臨んでいます。患者さんに対して、治るための適切な選択肢を提案できなければ、どんなに主体的に治りたいと思っている方もよくならないからです。
精神科医としての研修時代の、「患者さんを治す」上司の忘れえない言葉があります。『「精神科では患者さんを治すとは言わず、患者さんが治る」という考えが適切だよ』と別の医師に言われたことについて、その上司に話したところ、「じゃあ、治らないのも患者のせいなのか!」と口調荒く言い返されました。その上司にとって、「患者さんが治る」という表現は治る治らないを患者さんに託す、医師の責任放棄に近い一言だったのだと思います。今思い返しても胸が熱くなる、自分の精神科医としての、医師としての根幹になった一言でした。
私自身は残念ながら、ご縁のあった方々、全ての方に対して、「治す」医療がご提供できたとは思えません。力になり切れなかった、生涯忘れえない方々とのご縁もありました。それらの語るに忍びないご縁の中で、「患者さんが治る」ではなく、「患者さんを治す」診療を、エビデンス(科学的な根拠)を背景に目指してきました。
私の好きな論語の言葉で「学びて思はざれば則ち罔(くら)し。思ひて学ばざれば則ち殆(あやう)し」という言葉があります。他人から学んでいるばかりで自分で考えなければ何もなしえない、考えているばかりで他人から学ばなければ考えが偏り有害ですらある、という意味です。この言葉に則り、精神医学について学び考察を深めつつ、ご縁のあった方々を思いつつ、「患者さんを治す」という意識で今日も診療に臨んでおります。
経歴・資格
- 滋賀医科大学 医学部医学科 卒業
- 滋賀医科大学医学部附属病院、琵琶湖病院等の病院にて勤務
- 新宿よりそいメンタルクリニックにて、学生・働く世代を中心に診療
- 日本橋あさひメンタルクリニック 開院
資格・所属学会
精神保健指定医
日本精神神経学会